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診療時間などについてのお知らせ

 子育て世代のスタッフが多く、働き方改革に従い、以下の点につきまして2020年4月からご協力いただいております。ご理解の程よろしくお願い致します。

 

■受付時間、受付定数について

受付終了時刻は、午前診は11:30、午後診は17:30です。受付終了時刻を過ぎての直接来院はお断りいたしております。誠に申し訳ありません。

②診療可能な定数を超えweb受付ストップとなった場合、直接来院されても診療はお断り致しております。誠に申し訳ありません。

③受付ストップの目安ですが、季節により多少の変動はありますが、午前は50~60番程度、午後は30~35番程度でのストップとなります。

 

■遅刻された場合の扱いについて

一般診療につきましては、遅刻なさらないようにお願いしたいです。遅刻なさった場合には、数十分お待ちいただくことになりますし、順番通りに来院されている他の多くの患者さんの迷惑となりますのでよろしくお願いいたします。また30分以上遅刻された場合には、受付をいったんキャンセルとさせていただいております。キャンセル後に来院された場合、番号を取り直し致します(最後の番号になります)。ただ、診療状況(受付ストップしている等)次第では診療をお断りさせていただきますのでご了承ください。何度も遅刻される方や何度も順番を取り直しされる方は今後の診療をお断りさせていただきます。ご了承くださいませ。

 

また、午前診の場合12:00(午後診は18:00)を過ぎた場合、遅刻された方は、遅刻30分以内であっても、即受付キャンセルとさせていただきますので、ご容赦くださいませ。

 

■チェックオンの呼び出しメールについて

チェックオンの呼び出しメールはあくまで参考程度です。進み具合次第では、メールが届いてからでは遅い場合や早い場合が多々ございます。実際のチェックオンのページで番号の減り具合を確認し、順番の5番前~3番前ごろには来院を済ませ、待合室でお待ちいただけるとよいかと思います。

よくあるのでございますが、キャンセルが立て続いた場合や、3兄弟の方がキャンセルされた場合などは一気に番号がすすむことがございます。反対に、処置や問診に20分程度要する患者さんや総合病院への紹介が必要な患者さんなどが複数人おられると、待ち時間が長くなることがございます。


ほとんどの患者さんがたは、ちゃんと順番通りに遅刻なさらずに来院していただいており助かっております。そういった方々が、なるべくストレスなく診療を受けていただくため、我々はいろいろ苦慮致しているところです。また、そうすることでスタッフとスタッフ家族の健康を守り安定した診療を提供することにつながります。ご理解賜りますよう今後ともよろしくお願い致します。

2023年06月27日

10歳以上用三種混合ワクチン(Tdap)接種推奨のお知らせ

 当院では11~12歳でDTワクチンの代わりに10歳以上用三種混合ワクチン(Tdap:Boostrix)の接種を推奨しております。以下お読みになり、是非、接種をお願いいたします。

 

今、日本では百日咳菌への抗体保有率が低下し、発症数が増加しています・・

 

 これは2018年の1年間の百日咳の発症報告者数のグラフです。

 緑の棒グラフは百日咳の発症報告数を表していますが百日咳の発症報告数が、6歳以上の年齢で急増しています。これは、0歳で3回、1歳で1回、合計4回接種した4種混合ワクチンで上昇した抗体が、5歳ぐらいで20%台に低下するため、百日咳にかかってしまっているためです。知らないうちに咳が長引く風邪として発症し、周囲にまき散らしている状態となっているのです。これはあくまで報告数なので、実際の発症数はこれよりはるかに多いはずです。

 この年長児の百日咳患者から、0歳児にうつしてしまっている状態が現在の日本の現状です。

 

 百日咳は赤ちゃんにかかると命に関わる病気ですので、赤ちゃんに感染させないように、社会全体で赤ちゃんを守る必要があります。

 

百日咳含有ワクチンの接種スケジュールのアメリカと日本の違い

 

 アメリカと日本の接種スケジュールの違いです。アメリカを含む諸外国では、4-6歳でDPTワクチン(小児用三種混合ワクチン)を接種し、11-12歳以降はTdapワクチン(10歳以上用三種混合ワクチン)を接種しています。また、妊婦さんや赤ちゃんに接する機会の多い職業の人にもTdap接種が勧められています。当院のスタッフもTdap接種済です。

 2014年のWHOのワクチン会議資料によると、調査国の多くの国で、青年・成人に対する百日咳含有ワクチン接種が行われており、そのすべての国でTdapワクチン(10歳以上用 3種混合ワクチン)が使用されています。

 Tdapワクチンは、日本のDPT(小児用3種混合)ワクチンと同じで、破傷風(T)、ジフテリア(D)、百日咳(P)のワクチンですが、10歳以上の人へのブースター接種用のワクチンで、副反応を減らすために多すぎるジフテリアや百日咳抗原量を減らしてあります(効果は十分ございます)。そのため、Tdapワクチンは、DPTワクチンより副反応が少なく、DTワクチンと同程度の局所反応の報告となっております。

 

当院でのお勧め

 当院では諸外国にならい、年長さんでのDPTワクチン(+ポリオワクチン)、11-12歳でTdapワクチン(DTワクチンの代わりに)を推奨しています。12歳でDTワクチンを接種済みの人の場合は5年ぐらいあけてTdapを接種するとよいでしょう。もちろん、破傷風やジフテリアへのブースター効果もございます。

 (※TdapにはDTワクチンの成分が含まれるため、11-12歳でTdapを接種した場合には、DTワクチンの接種は不要となります。)

 接種にあたっては、日本にはTdapワクチンが導入されていないことから、GSK社製のTdapワクチン(Boostrix®)を輸入し接種しております。そのため、本ワクチンの副反応のため健康被害が生じても、PMDA(独立行政法人 医薬品医療機器総合機構)による金銭的補償救済の対象となりません(副作用に対する治療に対しては、通常通りに保険診療をうけることができます。ご安心ください)。

 接種の価値のあるワクチンと考えられます。是非ご検討ください。

2021年10月14日

2024年4月からの予防接種の変更点です。

このたび2024年4月1日からの松江市の予防接種に関しまして、重要な変更点がございます。ワクチン接種をされる全員にかかわる変更点もございますので、一度はお読みください。

 

予防接種を受ける際に、保護者(父、母、後見人)が同伴できない場合には、委任状が必須となります。委任状が無い場合には接種できません。

 予防接種を受ける際に、保護者(父、母、後見人)が同伴できず祖父母等代理人が同伴する場合には、委任状が必要になります。委任状がない場合には接種できません。

 代理人は18歳(大学生相当)以上の成人となります(高校生は不可)。委任状は保護者本人と代理人がそれぞれ署名し、接種日当日に提出してください。

 委任状は、今後配布される各予診票には、裏面に委任状が印刷されたものが配布されます。それ以前に配布された予診票を使用する場合には、松江市のホームページから委任状の様式をダウンロードしてお使いいただくか、以下委任状をダウンロードしてお使いください。

 

肺炎球菌ワクチンが13価ワクチンから15価ワクチンに変わります 。

 肺炎球菌の中にもいろいろ種類があるのですが、これまで13種類に対応していたものが、15種類に増えます。単純に効果がよくなります。とてもいいことです。

 

 肺炎球菌ワクチンは生後2か月,3か月,4ヵ月,1歳1か月,の合計4回を接種していますが、この途中からでも15価に変更となります。1歳以上で接種される場合、1回の接種で抗体がしっかり上昇するため、4回目のみ15価ワクチンとなってもしっかり効果が出ますのでご安心ください(自費で5回目、6回目と接種する必要はありません)生後2か月のワクチンデビュー時は、4つの同時接種(肺炎球菌、五種混合、B型肝炎、ロタ)となります。予診票はお手持ちのものがそのまま使用できます。

 

4種混合ワクチンとヒブワクチンが一緒になった5種混合ワクチンが開始になります。

 当院では、生後2か月,3か月,4ヵ月,1歳1か月,の合計4回、4種混合とヒブワクチンの接種をお勧めしておりましたが、この2本が1本の接種で済みますので、こども達の負担が減ります。朗報ですね(肺炎球菌ワクチンも混ぜた6種混合も導入されるといいですね)。

 もし途中まで他院で接種していた人の中で、ヒブワクチンの4回目の接種だけが先に終わっている人は、4種混合ワクチンを1歳半頃(水痘の2回目接種の時)に接種するよう指導されていると思います。その場合当院でお勧めしていないスケジューリングであるため、院内在庫がございませんので、1週間前までに電話予約(キャンセル不可)していただければ対応したいと思います。

 使用する予診票も変わります。自宅にお持ちのヒブワクチンと4種混合ワクチンの予診票と引き換えに、各医院に配布されている5種混合ワクチンの予診票を使用して接種致します。接種の際は、必ず手持ちのヒブワクチンと4種混合ワクチンの予診票(記載など不要です)をお持ちください。委任状が必要な場合は、事前に委任状をダウンロードし記載の上お持ちください。

2024年03月24日

2024年10月から肺炎球菌ワクチンの変更のお知らせ

肺炎球菌ワクチンが15価ワクチンから20価ワクチンに変わります 。 

 肺炎球菌の中にもいろいろ種類があります。これまで13種類に対応していたワクチンが、2024年4月から15種類に増え、これが10月からさらに5種類増えた20種類に対応するものになりました。単純に効果がよくなります。

 副作用は13種類のものと同等で、効果がアップします。肺炎球菌は髄膜炎などの侵襲性肺炎球菌感染症を起こす細菌で、危険度の高い病原体ですので、すこしでも多くの種類に効くものになるのはとてもいいことです。65歳以上の高齢者の方の接種方法もそれに伴い指針の改定があります。

 当院では肺炎球菌ワクチンは生後2か月,3か月,4ヵ月,1歳1か月,の合計4回を接種していますが、この途中からでも20価に変更となります。1歳以上で接種される場合、1回の接種でも増えた種類の分に対しての抗体はある程度上昇するため、4回目のみ20価ワクチンとなっても効果が出ますのでご安心ください(特殊な持病がない限り自費で5回目、6回目と接種する必要はありません)。予診票はお手持ちのものがそのまま使用できます。

2024年10月01日

日本脳炎ワクチンは生後6か月から接種しましょう

 NIID(国立感染症研究所)より、ブタの日本脳炎抗体保有状況の2024年度速報第11報が発出されました。

 日本脳炎ウイルスは、ブタなどの宿主が持っており、そのブタを刺した蚊がウイルスを運び、ヒトに感染を起こします。

 この全国調査では毎月宿主であるブタの血液検査を10頭行い、何頭のブタが感染しているかを調べ、日本脳炎ウイルスが活動していると推察される地域を調べ、注意喚起が行われております。
 島根県ではほぼ毎年検査が行われており、毎年9月以降に100%の感染率となっておりますが、今年も例年通り蚊の活発になる8‐9月に100%となっております。


 当院ではこのNIIDのデータをもとに、以前より注意喚起を致しておりますが、日本脳炎ワクチンは生後6か月になったらすぐに接種するようお勧めいたしております。

 日本脳炎ワクチンの接種年齢は生後6か月~90か月(標準的には3歳から)とされていますが、日本小児科学会では2016年より「ブタの日本脳炎抗体保有率が高い地域に居住する小児に対しては、生後6か月から日本脳炎ワクチンの接種を開始することを推奨」しています。実はこの標準的には3歳からというのは、ワクチン発売当初に作られたルールで特にエビデンスのないものであり、3歳まで無防備な状態で生活することになります。松江市の他の小児科クリニックでも生後6か月から勧める医院が増えてまいりました。6か月からの接種でしっかり抗体がつきますので、3歳まで待つメリットは一切ありませんし、6か月で接種するデメリットもありません。
 日本脳炎ウイルスは感染すると、100人に1人程度で脳炎を発症すると推定されています。発症した場合、3人に1人程度が死亡し、生存できた方の半分には障害が残る疾患です。
 こどもの健康を第一に考えてあげていただきたいと思います。

 個人的にはこの小児科学会の提言には不満があります。まるで3歳が普通で、危険地域だけが特別に早く接種してよいよ、と言っているみたいであり、危険地域(NIIDの調査結果)を知らない医師に誤解を与えているからです。どこに居住していても生後6か月からするほうがよいと思います。アメリカCDCでは、日本は日本脳炎のリスクのある国と注意喚起されています。ご参考まで。

 

 

 

2024年11月03日

RSウイルスワクチン(母子免疫ワクチン)の接種を開始します。

RSウイルス感染症について

 RSウイルスは2歳までにほぼ100%のこどもが罹患するウイルスで急性呼吸器感染症をきたすウイルスです。多くのお子さんは「すこししんどい咳風邪」として治るのですが、生まれたばかりの赤ちゃんや生後6か月未満の乳児が罹患すると症状が重くなります。特に生後1か月未満の新生児期に罹患すると高い確率で入院となり、その一部は突然の無呼吸発作などで重症化することがあり、低酸素脳症による後遺症を残したり死亡することもあるため、我々小児科医が最も恐れるウイルスの1つです。

 

RSウイルスワクチン(ABRYSVO:アブリスボ®)について

 これまでRSウイルスに対しては、早産児や心疾患をもつ重症化のリスクの高いお子さんにだけモノクローナル抗体製剤(シナジス®、ベイフォータス®)による疾患軽症化が行われておりましたが、非常に高額な薬剤のため接種対象者が限られておりました。そんな中、母子免疫ワクチンとしてアブリスボが2024年5月より日本での接種が開始されました。妊婦さんに接種すると、お母さんの体内で抗体が作られ、その抗体が胎盤を通して赤ちゃんに移行し、生まれたあとの赤ちゃんをRSウイルスから守ります。あかちゃん自身が作った抗体ではないため10か月程度で抗体は減少し効果もなくなります。なくなっちゃうならもったいないなと感じますが、生まれてからの6か月間、つまり罹患すると危険な6か月未満での効果を保つためのワクチンです。お母さん側の抗体は10か月で効果がなくなるわけではありません。

 高齢者の死亡率も高く、高齢者に対するRSウイルスワクチン(アレックスビー、mRESVIAなど)もございますが、アブリスボは妊婦さんへの接種の安全性が確認されたワクチンです。

 この母子免疫ワクチンという概念は、今考えが深まっている分野で、他に母体へのインフルエンザワクチンや、新型コロナウイルスワクチン、百日咳の予防のための三種混合ワクチンもそれに該当します。

 

安全性と効果

 国際共同第Ⅲ相試験の結果、母体、出生児、ともにプラセボ群と比べて重大な合併症、全身反応に差はありませんでした。特に心配される早産、子癇前症、貧血、妊娠高血圧などに有意差はありませんでした。長期的な合併症については、今後5年10年の経過をみて判断されますので、現時点では不明です。

 この臨床試験については、院長の印象として、非常に中立に、また非常に詳細にプラセボ群と比較している印象です。母体への接種ということで、安全性を特に重視して試験を行ったのではないかと推察します。稀な妊娠合併症の比較もできるように非常に多数の妊婦さんでその安全性を検討されています。

 結果、特に安全性に問題はないと思います。注射による痛みなどの軽微なもののみで他の既存のワクチンと比べて副反応が強いということはなさそうです。

 

 効果としては、以下のグラフに集約されます。

 RSVを原因とする高度のMA-LRTIの累積発現率のグラフです。プラセボ群に対してどの程度効果があったかが示されています。この高度のMA-LRTIは、RSウイルスで即入院し、低酸素のため高流量の酸素投与や人工呼吸器装着が必要なレベルの強い症状と考えていただければと思います。その率が、生後90日でワクチン非接種者で0.9%、ワクチン接種者で0.2%(有効性81.8%)、生後180日でワクチン非接種者で1.8%、ワクチン接種者で0.5%(有効性69.4%)でした。

 これはかなりきつい症状の感染者のものであり、入院するほどでもないぐらいの症状の赤ちゃんも含めれば、ワクチンの恩恵は大きいでしょう。

 

 

接種対象者

 妊娠28週~36週の妊婦さん

 (24週から接種可能ですが、28週以降が有効性が高いため28週以降の接種をお勧めいたします。できれば32週~34週での接種がよいと思います。)

 接種して効果がでるまで2週間程度必要であるため、接種後2週間未満での分娩の際には効果が不十分となります。

 必ず通院中の産婦人科の先生に接種してもよいか許可を得てからご予約下さい。

 

接種費用、接種回数

 31000円(税込)

 1回接種

 

予約方法

 webでの予約はできません。

 直接お電話にてご予約ください。また高額なワクチンのため、接種料金は前払いとさせていただきます。前払いで来院時にカルテと診察券を作成いたしますので、マイナンバーカードか保険証も持参してください。支払い後にワクチンを発注致しますので、届くまで1週間程度のお時間をいただきます。日時に余裕をもってご予約いただければと思います。

 また、支払い後、体調不良を含めいかなる理由であっても支払い料金の返金は致しません。高額なうえ利益のないワクチンであるため、何卒ご了承下さい。もし今後ある程度の数の接種希望者の方がおられるようでしたら、こういった状況を無くしていけるかとは思います。

 ただ、今後、産婦人科医院での接種が浸透すれば、当院は接種を終了しようと考えております。

 

接種日は

 持参するもの

①予診票

②母子手帳(赤ちゃんの)・・・赤ちゃんの母子手帳に接種の記載を致します。

③マイナンバーカードまたは保険証(お母さんの):本人確認のため

 

また別稿の予防接種の項目もお読みになり注意事項などご確認ください。

2024年12月28日

ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン) キャッチアップ接種期間延長のお知らせ

 ヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン)のキャッチアップ接種について、厚生労働省より条件付きでの期間延長がなされる方針となりました。

 ワクチン接種希望者が大幅に増えたため、ワクチンの供給が追い付かず、全国的に接種できなかった人が多数おられたための救済措置のようです。

 詳細はまだ未定ですが、以下のような予定となる模様です。

対象者

・キャッチアップ接種対象者(1997年4月2日生まれ~2008年4月1日生まれの女性の方の中で未接種の方)の中で、2022年(令和4年)4月1日~2025年(令和7年)3月31日までにヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン)を1回以上接種したかた。
・2008年(平成20年)度生まれの女子で、2022年(令和4年)4月1日~2025年(令和7年)3月31日までにヒトパピローマウイルスワクチン(子宮頸がんワクチン)を1回以上接種したかた。 

 

延長期間

 2026年3月31日まで、1年間の延長

2025年01月01日

インフルエンザワクチンの接種は終了いたしました

 本年度の当院でのインフルエンザワクチンは終了致しました。

 例年接種本数が多く電話受付が困難であるため、すべてweb予約での対応とさせていただいております。そのためご不便をおかけしていることが多々あると思いますが、皆様のご協力のおかげでスムーズに接種を行うことができ、皆様の接種を無事に終えることができました。心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 本年度より点鼻ワクチンの国内使用が開始されましたが、高額なうえ、まだエビデンスも多くはないため、接種選択に悩まれた方もおられると思います。今後もエビデンスをもとにした情報発信を致してまいりますので、参考になれば幸いでございます。でもまあ、今後は点鼻ワクチンを薬局で購入し、自分で接種できるようになればいいのになあと思う次第です。

 来シーズンも、例年通りインフルエンザワクチンの予約開始は9月1日を予定しております。どうぞよろしくお願いいたします。

2025年01月13日

コロナ禍を終えて~みなさんにお伝えしたいこと~

 2020年2月より突入したコロナ禍も2024年5月に終焉を迎え、通常の生活にもどり1年が過ぎました。医療における新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対するすべての保険的な特別扱いが終了し、日常生活におけるマスクの着用や新型コロナウイルス検査の不要な社会となりました。

 5年前、新型コロナの存在が確認され、その高い致死率の情報を聞いた際、私は血の気が引きました。致死率10%にも及ぶという初期情報でした。政府からは緊急事態宣言が発出され、「これは大変なことになる」と思ったのと同時に、もし診療をするなかでコロナにかかり命を落としたとしてもそれが医師の使命であり、そこから逃げ出してはダメだと死の覚悟をしたことを今でも覚えています。そしてホームページにはこう記載しました。「私たちにできることは何でしょうか?それは、感染対策を行うことで、感染拡大のスピードをゆるめ、コロナウイルスが弱毒化し、すべての人がワクチンを接種し終えるまでの時間をかせぐことです。」と。

 この時間をかせぐ間に、コロナにかかって失われる命もあるでしょう。新型コロナワクチン副反応により失われる命もあるでしょう。自宅待機をすることで発見が遅れ、癌で失われる命もあるでしょう。それでもこの致死率の高いウイルスを無防備に蔓延させてしまったら、松江市だけでも数千人の死者がでることになります。そうさせないように、他の医院が診療拒否をしているときでも、発熱患者さんを断ることなく診療し、ワクチン接種も休日返上で接種を行いました。開業医としてはいちはやく高度のHEPAフィルターのパーテーションを7台設置し、コロナウイルスのPCR検査機器も2台導入し、新型コロナウイルスの診療を行いました。検査だけして聴診器もあてない、のども診ない。そんな医者にだけはならないよう、医師の使命を全うしたつもりです。

 この間、何度も院内でカンファレンスを行い、ウイルスやワクチンの勉強会を行いました。院長の「こどもにとってまっとうな治療をする」という理念に共感してくださったスタッフのみなさんも、看護師さんだけではなく、医療知識のない受付の事務さんも一人も退職希望されることなく、診療を行うことができました。私は、このスタッフの皆さんの事を誇りに思いますし、かけがえのない人達だと思います。

 

 mRNAワクチンという新しい手法のワクチンも最初のアルファ株には95%以上の効果がありました。これは驚くべき効果でした。これまでの既存の不活化ワクチンの効果を考えて、私は最初は高く見積もって60~70%ぐらい効くのかな、ぐらいに考えていたので、「えっっ?!」と思わず声を出したほど効くワクチンでした。その後ウイルスが変異を繰り返したため、徐々にその効果が落ちていきましたが、変異ウイルスも毒性を徐々に失っていったため、感染者が増えても、死者が激増することはなく推移しました。またなぜか東洋人では致死率が低かったことも日本には幸運だったと思います。

 

 2023年の新型コロナウイルスによる死者数は厚生省の人口動態調査では38086人で全死亡数1576016人中第8位の死因でした(2024年の結果は集計未)。これは高いのでしょうか?低いのでしょうか?多くの方はこれを高いと実感するほど新型コロナウイルスで亡くなったかたが身近にはおられないのではないかと思います。入院施設のある病院の医療者からみるとそうではないでしょうが、対応できる範囲内ではないでしょうか?

 現在流行しているのはオミクロン株の亜型で、病原性は季節性インフルエンザと同等程度です。また変異もオミクロン内で変異するのみで、なぜか変異の程度がすごく少なくなっています。今後高い病原性のものに変異する可能性を否定はできませんが、もう普通の風邪と考えるのが妥当なところです。病原性の高いものに変異したら、またそのときに対策を強めればよいだけです。

 

 マスクについては、一定の効果はあると思います。ですが、わたしはもうこの微々たる効果のためにこどもにマスクを強要する社会が正しいとは思いません。顔をみて表情をみて獲得するコミュニケーション能力が欠落する可能性があります。夏には熱中症のリスクにもなるでしょう。エチケット程度でお考え下さい。

 

 コロナ治療薬に関しては12歳以上に対してゾコーバという内服薬があります。インフルエンザにおけるタミフルと同じようなもので、発症72時間以内に内服すると効果があります。もし内服を希望されるのであれば、発症初期になんどか調べることをお勧めします。またその際は、自宅での検査をお勧めいたします。そのほうが、気楽になんどでも調べることができるし、せっかく病院に受診しても「発熱直後だからまたあした受診して」と言われることもないでしょう。11歳以下の人の場合、特殊な事情を除きコロナ検査は不要です。入院するほどでもない軽症の病気を症状があるからとすぐ検査をする世界はもう忘れてください。新型コロナが爆発的に増えるのを防ぐ、時間を稼ぐために政府が発出した緊急事態のために行われていた検査です。時間を稼ぐという命題を達成できた今、新型コロナの検査は、症状があるからとすぐ行うものではありません。またその他のウイルスも同様です。アデノウイルス、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス…など、症状がでてすぐ検査を行うものではありません。検査をすることで、その子の治療方針が変わるときのみに検査を行うのがまっとうな医療です。当院のホームページの病院の理念にも記載しているとおりです。「必要な検査もこども第一で考えております。どのような検査でも、されるこどもにとっては不安であったり、嫌だったり、痛くてしたくなかったりするのが普通です。当院ではこどもにとってメリットの無い検査は実施致しません。風邪や胃腸炎のウイルスは多種ございますが、そのウイルスを特定することで治療が変わらないのであれば、検査をするべきではありません。」

 

 ワクチンについては、コロナという特性上、血管内皮障害による血管系の副作用がでる可能性がごくわずかですがあります。そのため当院ではコロナワクチン接種後1週間は激しい運動を控えるようお伝えしてまいりました。1週間以内の血管系合併症による突然死を防ぐためです。この合併症とワクチンの効果を天秤にかけて接種するかどうかを個人で決めるのがこれからの世の中です。新型コロナはワクチン未接種の人が生まれて初めて罹患した場合には比較的に強い症状となります。乳幼児期では新型コロナ感染により血管系の合併症や脳炎のリスクがあります。松江市内でも乳幼児で年に1-2人、コロナによる脳炎や脳梗塞が発生しています。現状コロナは年に2回流行しているため、インフルエンザよりもやや重症の子どもさんが多い印象です。もしもっと安全なワクチンが開発されたときには、生後6か月から接種するべきだと思いますし、母子免疫ワクチンとして母体へのコロナワクチン接種も推奨されることと思います。その際には、当院ホームページでアナウンスしてまいります。

 

 今後ただ1つみなさんに実行してほしいことがあります。それは昭和の時代には当たり前であったことです。わたしが研修医の頃、上司の先生が風邪をひいて受診したこどもの親に説明していたことでもあります。それは

「風邪をひいているなら高齢者には会わない、赤ちゃんには近づかない。」

ということです。

 これが最も重要なことです。このことを実行するだけで、いまある多くの感染対策やコロナ検査は不要になります。高齢者にかかるとよくない感染症は、コロナだけでしょうか?いや違います。インフルエンザ、RSウイルス、ヒトメタニューモウイルス、ライノウイルス、ノロウイルス・・・、何種類もあります。また検査でコロナが陰性だったらいいのでしょうか?いや違います。偽陰性の場合もあります。他のよくない感染症の場合もあります。もうわかりますよね。検査してコロナが陰性だったから大丈夫と言っておじいちゃんのお見舞いにいく、あかちゃんを抱っこする。それが正しい行為でしょうか?いや間違っています。

 今一度昭和の考えを見直しましょう。「風邪をひいているなら高齢者には会わない、赤ちゃんには近づかない。」そうすれば、検査もする必要はありません。核家族化がすすみ、身近に祖父母のおられない方が増えました。そのためこういった当たり前の行動が、今の20代30代の方には当たり前ではなくなってきているように思います。できる方は是非実行していただきたいと思います。

 

 最後になりました。

 コロナ禍の間は、こどもさん、付き添いの方々、大変なご不便をおかけいたしました。政府からの誘導もあったため受診時の注意点などが多かったことと思います。ご協力いただいたすべての方に感謝申し上げます。ありがとうございました。今後も、当院の理念「こどもにとってまっとうな医療をする」を実践し、感染症治療、アレルギー疾患管理、発達障害の分野において日々研鑽をつんでまいりたいと思います。そして、感染症治療、発達外来ならくれこどもだね、と言われるような医院を目指してまいりたいと思います。これからもどうぞよろしくお願いいたします。

 

2025年5月3日 くれこどもクリニック 院長 呉 彰

2025年05月03日